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2012.12.20

2012年の「ファッション」と「IT」

 2012年の「ファッション」と「IT」を振り返り、時代と共に進化していくことが大切だとしらせてくれたブランドといえば 「 Oscar de la Renta 」(オスカー・デ・ラ・レンタ)。

 

 「優雅」で「ラグジュリアス」。オスカー・デ・ラ・レンタはアメリカファッション協議会が主催するCFDAファッションアワードのウィメンズ・デザイナー・オブ・ザ・イヤーに2000年そして2007年と2回授与するなど、アメリカを代表するファッションデザイナーとしても知られます。

 

 今年8月、オスカー・デ・ラ・レンタでは大々的にウェブサイトのリニューアルを行いました。数年前まではファッションブランドのウェブサイトというとフラッシュを使ったかなりインタラクティブなデザインのものが主流だったのが、この1、2年の間ではテクノロジーの進化もあり“見せ方”がかなり変わってきた事は皆さんもご存知のことでしょう。

 オスカー・デ・ラ・レンタではサイトを開いた瞬間からブランドのダイレクトなメッセージが伝わってきます。基本となるメニューバーは上部中央へ。オスカー・デ・ラ・レンタではラグジュリアスなドレスからキッズウェア、バッグなどのアクセサリー類まで幅広いコレクションが展開されていることを、オンラインショッピングに慣れない人にでも一目で伝わるよう、リニューアル後はクオリティの高いビジュアルを使用しています。 またライブチャット、メルマガの登録、ソーシャルメディアへのリンクとブランドとお客様をつなげるサービスが各種あることも明確にされ、オンラインの場でも少しでもスムーズにショッピングが出来るようサービスが向上されました。

 

 キッズラインの商品を見ると全てではないものの、実際にキッズモデルがその商品を着用したビデオ映像もあり、より商品の詳細が分かりやすくなりました。またジュエリーをとっても実際モデルが着用している写真を商品の詳細ページに区加える事で、オンラインで買い物する際にどうしても分かりづらいサイズ感が伝わる工夫などもされています。こうした当たり前のようでなかなか網羅出来ない細かなサービスを実行したことで売上げもかなり上がったといいます。

 

 もちろんサイトをリニュアールしただけですぐに売上げにつながっていくとは限りません。
私の知る限りウェブサイトの他にも積極的にソーシャルメディアを活用するオスカー・デ・ラ・レンタでは、ランウェイのバックステージやその模様をリアルタイムでPinterest(ピンタレスト)にピンしたのはオスカー・デ・ラ・レンタが最初だったと思います。まさにこれは進化するデジタルメディアとファッションがリンクした今までなかったスタイルでのファンへのアプローチだと思います。

 そして先日、約168,000人のツイッターのフォロワーに向けてトップシークレットに行っているプロジェクトについて、フォーカスグループのメンバーを24時間限定で募集。ツイッターアカウントの@OscarPRGirlへ応募の際にはハッシュタグ #shhhを使用。1,000人以上の応募があったと言われる中から12名のメンバーがオスカー・デ・ラ・レンタのTumblrページ上で発表されました。選ばれた12名は今月18日フォーカスメンバーとしてニューヨークに集まり、噂によればオンラインのお客様に向けた商品展開についての秘密のプロジェクトに参加するらしいです。

 

 この様に時代の変化と共に進化していくファッションブランドの例として、日本のブランドやリテールでも学べる部分が沢山あると思います。是非、一度オスカー・デ・ラ・レンタのデジタルメディアの活用をチェックしてみて下さい。


 

RINA  

R I N A

90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。

 

以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。

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