コンサルタント特集Vol.01 北村禎宏 | アパレルウェブ

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コンサルタント特集 VOL.01 セミナーやブログでは見えない「コンサルタント像」に迫る! 即興コンサルティングのエキスパート 北村禎宏

Profile プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)

ファッションビジネスコンサルタント

アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。
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アパログで、アパレル業界「超・管理法」を連載中の北村禎宏さんに、お話を伺います。

◆北村さんの手がけるコンサルティングには、どんなものが多いでしょうか?

キーワードは、“イノベーション”と“進化”です。進化はイノベーションの結果です。いつの時代にも、経営全般、特定の現場業務でイノベーションは強く求められていると考えます。生物学的に言うと、異種、異質が交わることが重要な条件ですが、経営学的には、本業のドメインからかけ離れすぎない、“縁(ふち)”の部分(からイノベーションが創発されることがしばしば観察されています。たとえば、下着メーカーがホームウェアのSPAにチャレンジすることは縁に相当しますが、アパレルが飲食を展開することは縁を越えてしまっていると考えるのです。クライアントにとって異種、異質の役割を果たして、縁に光を当てて、ゆらぎを引き起こすことが私にとってのコンサルティングのポイントです。

◆OFFJTでされる講義はどんな内容ですか?アパレル以外の業界でもされますか?

体系的、実践的に学ぶ機会が少ないビジネスの基本スキルについての講義が多いです。メニューとしては、“ロジカルシンキング”(論理的思考)、“プレゼンテーション”(表現力)、“問題解決”、“戦略思考”、“ビジネスコミュニケーション”、“リーダーシップ”などです。これらのコンテンツは業種、業界、規模を問わない内容です。また、MDを“構造”と“展開”と“測定”の3つの視点から理解する3日間のオリジナルコンテンツもありますが、これは、アパレル業界向けのOFFJT教材です。

◆今年を振り返って、企業から要望が多かった内容は何ですか?

川中や川上の企業が、より川下に出ていこうとする傾向が引き続き強くなっています。これらの企業に共通することは“ブランディング”を目指しているという点です。SPA化の案件も多いですが、SPAはあくまでも手段に過ぎないと認識していて、その先に大きな志を持っているクライアントとの取り組みの場合にはいいプロジェクトが進行します。

研修の分野では、“人材開発の失われた十年”の反動が起こっていると痛感させられます。新卒採用を控えOFFJTへの投資を怠り、人材開発コストをむしろ積極的に削減してきたツケが一気に回ってきていると感じます。好況時に大量採用した若手社員を教育できる中堅社員(30歳前後)が全く育っていないことに、今になって愕然としている企業がたくさんあるようです。人のケアと投資をおざなりにする企業には、中長期的な繁栄はないと考えるべきです。

◆コンサルティング現場で、北村さんの問いかけから社内の議論が白熱していく時、北村さんがいつかの選択肢を用意されます。答えは1つじゃないと仰っていると感じたのですが、その真意は?

外部のコンサルタントは答えを持っていません。コンサルタントは答えの出し方を熟知しているだけです。私の仕事は当事者の経営者や社員の方々が答えを出す過程をコーディネートすることです。 飢えて倒れている旅人に魚を与えるのではなく、魚の獲り方を教えるということです。その人の取りたい魚とその人の腕前を見極めて、最適な魚の獲り方を教えるプロであれ、と常々自分に言い聞かせています。

◆ブログの反響はいかがですか?

見事に二極化しています。「難しすぎてよく分からない」か「とても勉強になります」という反応です。(笑)これは、理解力の問題ではなく、読者が私のブログに何を期待しているかの差だと思います。もともと千金楽社長からは、アパレル業界は、ファッションは大好きだが、ビジネスは苦手なので、そのあたりにむけたメッセージを、という事で始めています。

◆来年の業界予測、または、アパレル業界へのメッセージをお願いいたします。

アパレルビジネスの定石に需要予測がありますが、需要予測は絶対に当たりません。統計学的に予測は可能ですが、それは単なる数理的可能性に過ぎません。可能性Possibilityを蓋然性Probabilityにまで高め、現実性を伴った方向性を出すための合理的根拠の出発点となるのが需要予測です。

需要予測は、利益コントロールの起点になります。需要予測に基づいて売上計画と粗利計画が策定され、粗利は期首在庫と期中仕入と期末在庫に分解されます。さらに、それらの実現に必要な変動費と固定費が経費計画となり、利益に結びつきます

需要予測は期中に入って上下にブレます。その度にこれらの要素を丁寧に上下にコントロールして、着地である利益に合わせていくのです。そのため、一見矛盾する様ですが、絶対に当たらない需要予測に真面目に取り組むことが大切であるというわけです。

その上で、来年の業界予測をします。いよいよニセモノが淘汰される時代に突入すると思います。しっかりとした背骨があるブランドや事業など本当のホンモノしか生き残れないでしょう。年末年始は「私達が社会に提供している価値って何だったっけ?」と胸に手をあてて深く考える機会にしてみてください。答えは決して「期中、クイックに売れ筋を企画、供給する能力」などと言う中身のない言葉にはならない筈です。

◆オフの素顔を断片的に。

関西人ですので、お好み焼き、たこ焼きにはただならぬこだわりがあり、秘蔵のレシピを伝授し、もんじゃ焼きやからお好み焼き屋に業態変更させた店が東京にあります。ええ、もちろん、仕事ではなく、ボランティアでやりました。今でも良く行くお店です。モノをつくる、ということに惹かれてファッション企業に入りましたが、本当は洋服でもお好み焼きでも何でもよかったのです。

◆AWより一言
お好み焼き屋さんはぜひ、ご紹介ください!洋服でなくても良いなどおっしゃいますが、いつもオシャレな北村さんです。本日はありがとうございました。