小島健輔 第2回 ソウル編 | インタビュー | アパレルウェブ

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Interview
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失礼かもしれませんが、E・Landやビーンポールは「○○っぽい」とか「○○みたいなブランド」と言われていたので、「なんちゃって」ブランドかと思っていたのに、絶賛されていて意外です。

まあ、コピーから始まっても、クオリティでもブランディングでもオリジナルを超えてしまうのが韓国式ビジネスモデルというところかな。サムスン電子や現代自動車もそうだけど、百貨店やブランドビジネスにも同様な進化が見られるよ。

日本も欧米をコピーしていた時代を通ってきていますよね。

    
60年代、70年代は欧米のライセンスブランドが主流で、80年代のDCは、それを超えようとする動きだった。
DCの後、インポートもあったけれど、バブル崩壊以降は上昇志向も消えていったよネ。 

まあ、ハングリーじゃないかも知れませんね。

渋カジからSPAに移行して、さらにファストファッションが入って来た今、等身大で楽なファッションが主流となってしまった。
ファッションていうのは、もともと「背伸び」をする事だったのに、どんどん「退化」している気がする。

興味の先が分散しちゃった気もします。その点、韓国、中国はまだ違いますね。

そう、アジアは背伸びして競争する社会。一方、日本は幼稚園的なかよし社会主義に陥って退化してる。

皆様、解説します。「幼稚園的なかよし社会主義」については、先生の前回の特集をご覧ください!

かつての文明も進化のあとは退化して、ピラミッドは砂漠になるし、ローマ帝国は滅びるし、ポルトガル、スペイン、イギリスは、斜陽。失われた20年は退化の20年という…

ハイ、話がそっちに行く前に、お聞きします。そもそも、韓国、中国は、進化のサイクルというか、2国の距離感というか、リズムが合うのでは?

そうね。日本はガンガン競争する気力もない、手軽に安易な道をさがす日本が正面から全力で戦う国に勝てるワケない。

でも、以前日本が持っていたハングリーさは、韓国のハングリーさとは違うのでは?

  韓国の市場は日本の1/4以下。
その上、北の脅威を常に感じて、海外に投資せざるを得なかった。
日本は、とにかく国内市場が大きい。
この国に、アメリカ、EC、中国に次ぐ市場が在るんだよ。
しかも、政情は平和で安定していて、無理して海外に投資する必要は無かった。

肝心の韓国国内の印象はどうでしたか?

明洞には主要グローバルSPAがほとんど出ているけど、違和感が有ったのはForever21。

韓国系の方がやっているのに、本国で違和感?

Forever21は日本ほど人気が盛り上がらず、H&Mに水をあけられているようだ。韓国にはまだ衣料品の市場(いちば)が至るところに有り、そこと商品の出来映えが似ているからブランドとして認められていないと、現地では言っていたよ。

日本でForever21は市場的にウケて居るんでしょうか。

日本の若者は余り品質を気にしなくなったけれど、上昇志向の強い韓国人や中国人は気にするんだよ。だから、ユニクロを評価している。
韓国や中国にForever21みたいなOEM、ODM、QRでつくったような「ブランド」を投入しても市場性は無い!品質悪くて味が薄いってことは、要するに「ブランド」じゃないわけだから。

ブランドらしいブランドでないと支持されない?

日本の市場は世界でも特殊。文明が退化して価値観の崩壊している日本と、まっすぐに夢をみて成長する韓国や中国では、そもそも価値観が全く違う。

中国市場って、今どんな段階なんでしょう?

ボリュームゾーン市場で言うと過渡期かな?低価格な市場(いちば)から始まって、ローカルSPAのジョルダーノやメタスバンウェイが席巻したが、2008年ごろからはグローバルなZARAやH&Mの進出でローカルなSPAが淘汰されつつある。

今のお話で、上海に充満する(笑)韓国ブランドが入ってませんが。

  韓流SPAはボリュームゾーンではなく、百貨店とボリュームゾーンの隙間にポジショニングしている。

向こうの統計を見ると、中国に「百貨店」と呼ばれる店舗は6,000〜8,000店もある事になっているけれど、1店舗あたり40億円以上売っているのは、せいぜい420店舗位。

坪効率も50〜90万円/年と低く、日本の百貨店の6分の1程度。韓国ブランドは、こういう急増する百貨店市場のすそ野を取っている。

そろそろ締めのメッセージをお願致します。

  当たり前だが、アジア市場は退化する日本とは異なって急速に進化している。
なので、日本で売れているブランドを持って行こう、という戦略には勝算が無い。
それよりも、中国で売れるグローバルブランドを立ち上げた方がよい。
中国は競争資本主義なので階級闘争が激しく、いろいろなグレードのマーケットが急速に広がっているのです。

8月のSPAC研究会には中国からビッグなゲストが登場しますよ。
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小島健輔 (こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。

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