小島健輔 第2回 ソウル編 | インタビュー | アパレルウェブ

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Interview
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アパレルウェブの業界人ブロガー堂々1位のプロフェッサー小島。
4月の「上海市場にび・っ・く・り!!」に次ぐ特集第2弾は、韓国ソウルのレポートです。

6月1日に終了した経済産業省 産業構造審議会 競争力部会では、2011年度以降、ファッションが輸出重点産業となり、今後国が積極的に輸出振興していくという方針が示されました。ほぼ日本の中だけで、ず〜っとやってきた業界に、いきなり声がかかったようなものです。「君はやれば出来る子だ!行って来い!」

日本を一歩出た海外市場は、国際試合。特に、先の小島先生のレポートにも有るとおり、上海は欧米のグローバルブランドもさることながら、アジアのブランドもと拡大しており、その中でも韓国ブランドの健闘ぶりには目を見張るものがあります。そこで、小島先生はフットワークも軽くソウルに飛び、韓国ファッションの企業トップへ直撃インタビューを敢行されました。

ご覧になった韓国ブランドの印象は?

とにかく、上海にはE・Landが充満していた。 一体これは何だ!?と思ったんで、これは韓国に行って、韓国ブランドはなんで中国で大成功したのか聞かなきゃダメだと思った。

思い切り直球じゃないですか。(笑)取材されたのはどなたですか?

  E・Landのマーケティング本部長(CMO)のPaul Parkさん。
E・Landは1994年に上海に第1号店を出している。
100%独資で代理商は使わないで、全て直営店、15,000人もの販売員を抱えているそうだ。
2009年末で全17ブランド、3,247店舗だったのが今年度末には4,000店舗になるらしい。

とにかく勢いがスゴイ。

15年も前から進出してるんですね。でも、初めからイケイケだったわけでは無いですよね?

「90年代は苦労が多かった」と言っていた。ブランド知名度ナシ、ネットワークナシなんだから。

でしょうね。転機はいつだったんでしょう?

急成長は2008年〜2009年に起きている。売上は2年間で3.6倍に伸びた。

どんな企業なんですか?生産背景、VMD、MD、ブランドターゲット等々…

  商品は、20%が韓国、80%が中国などの海外生産。
自社で全ての生産仕様を決め、工場管理も直接やっている。
自社で計画的に作った商品をストーリーづけて店頭展開するので、視覚的にシャープで、ブランドらしく見える。

価格は日本の駅ビルブランド並み、ボトムで6,900〜8,900円と大体、百貨店価格の半分位だけれど、チャネルとしてはSCより百貨店に出ている。

他に取材されたのは?

第一毛織のビーンポール事業部。
ここはSUMSUNGグループの基幹会社のひとつで、売上の73%は電子素材とか化学製品。
日本で言うと東レみたいな会社だね。

ファッション事業の42%を占めるのがビーンポールで、昨年末で韓国国内の店舗は330、中国には54店舗だけれど、年内には100店舗を越えると言っていた。
 

明洞のBEAN POLE フラッグシップ

今、54なのに、100まで行くんですか?アグレッシブですね〜。ブランドは何系なんですか?

ラルフローレンを都会的に、キレイにした感じ。韓国の百貨店では、必ずと言ってよいほどラルフの隣に出ている。

必ず隣りとは、思い切りマークしてますね。

店頭でぱっと見た品質はラルフより解り易く、韓国の消費者からはラルフより格上と思われている。
ブランディングに力をいれていて、欧米の有名人をイメージモデルに使ったり、格式ある路面のフラッグシップを構えたりしている。

こちらの状況はどうなんですか?

生産は韓国が70%、中国が30%。年に2回のコレクションを2週間毎の計画デリバリーに組んでいる。
積んでいる素材で同一品の追加はするけれど、売れ筋のQRは行わない。計画的なカラーパレットをもとにVMDを展開していて、ブランドビジネスとしてすべてに原理原則を通している。

肝心の中国で感じた「一体これは何だ?!」は解決しましたか?

2社とも実に「マジメ」という一言に尽きる。他人に頼って安易な抜け道を探さない自力貫徹の姿勢を強く感じた。

どう「マジメ」なんですか?

    
E・Landは独資で進出してから2008年の爆発まで地道に現地化を図り、15,000人の販売員を雇用するまでに成長してきた。
ビーンポールも一発ヒット狙いより、品質管理、接客、VMDなどにこだわりをもってブランドビジネスを推進してきた。
結局、中国で成功するのは、実力で積み上げた者だけなんだと感じた。

地道に尽きるんですね。

そう。それに比べて日本は、代理商を使って一気に拡販出来るんじゃないかとか、モノづくりでも手抜きのOEMやODM、売れ筋のQRに走りすぎている気がする。

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小島健輔 (こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。

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