日本のファッション企業がとるべきニューヨーク戦略 | コラム | アパレルウェブ

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山中健のWorld Report
2010.3.2 Vol.8 >>バックナンバー
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Vol.8 日本のファッション企業がとるべきニューヨーク戦略

世界の大都心ニューヨーク

今回は、「世界の大都心」ニューヨークのマーケットと、日本のファッションにとってのマーケット性を考察したいと思います。

冒頭で世界の大都心と申し上げましたが、ロンドンやパリ、そして東京とはどこが違うのでしょうか。

まずは、都市のGDPの高さがあげられます。プライスウォーターハウス・クーパーズのデータによると、2005年時点でニューヨークは1兆4060億ドルと、東京の1兆7900億ドルに次ぎ世界第2位で、2025年時点でも、東京1位、ニューヨーク2位と予想されています(いずれも購買力平価での数値)。
 
[NYの5番街]

一方、GaWC(Globalization and World Cities Study Group and Network)のランキングでは、ニューヨークがロンドンと並び、最高格付けの「第1級世界都市++」とされています。

ちなみに、東京は、香港、パリ、シンガポール、シドニー、北京、上海、と一緒に、その次の「第1級世界都市+」とされています。このことから、ニューヨークはマーケットボリュームが大きく、そして都市機能も高く、世界の大都心といえます。

 

ファッションビジネスのショールーム

では、ファッションビジネスにとっては、どのような存在なのでしょうか。私は、パリを「ファッションの交差点」、ニューヨークを「ファッションビジネスのショールーム」と言っています。ファッションを育成し、発信する機能が整っているのはパリです。パリは、行政も一緒になって、ファッションをアートとして育てていく土壌が整っており、多くの優秀なデザイナーが集まり、さまざまな発信をし、そしてパリのファッションは洗練を続けています。

それに対し、ニューヨークは、あくまでビジネスで勝負する土壌が整っているといえます。規制の少ない自由な環境、目の肥えた小売業者と消費者、世界中から参入する競合業者が存在します。

そして、ニューヨーク市は約836万人の市内人口と約1,900万人の都市圏人口、毎年国内外から訪れる4,700万人もの観光客という厚いマーケットを持っています。また、アメリカ国内、世界への影響力は言うまでもないでしょう。(※データはニューヨーク市データ参照)

このように、ニューヨークは、大きなマーケットにおいて自由競争が繰り広げられており、人種も多種多様で、あらゆるチャンスがある、「ファッションビジネスのショールーム」であると思うのです。

ファッションビジネスにおける世界戦略の肝

国際小売業の権威、ブレンダ・スターンクィスト氏は「変わる世界の小売業」(新評論社、若林靖永氏、他訳)の中で、小売のパッケージを「強い小売業」「弱い小売業」「ユニークな小売業」「標準化された小売業」と分類し、それぞれに適合している国の成熟レベルと、ターゲティング手法について論じています。

ファッション小売は、間違いなく「ユニークな小売業」ということになります。私なりの解釈では、「ユニークな小売業」の世界戦略の肝は、対象マーケットの中で、自社の提供する商品属性を好む層を切り取り、発信することであると思います。
 
[発展目覚ましいミートパッキングディストリクト]
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ファッションビジネスコンサルタント 山中健

大手百貨店、外資系ファッションメーカー、大手コンサルティングファームを経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。マクロデータ分析、店舗調査、生活者調査などの徹底したリサーチをベースとし、マーケティング及びMDのコンサルティングを行っている。
2009年よりアパレルウェブコンサルティングファーム上席研究員として、活動を開始。「日本のファッションを世界に」を実現するために、欧米、アジア、国内のファッション市場調査活動を実施中。2008年度 経済産業省 アジア大洋州課 受託事業「アジアトレンドマップ」のディレクションを担当。

ファッション・アパレル企業向け海外進出サポート・コンサルティング | aw-research
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