新・アジア戦略の提言 | 山中健のWorld Report Vol.6 | コラム | アパレルウェブ

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山中健のWorld Report
2010.1.5 Vol.6 >>バックナンバー
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Vol.6 新・アジア戦略の提言

皆様、明けましておめでとうございます。2010年ですね。ここ数年日本のファッション業界は、マーケットの縮小、外資の攻勢による競合激化、など、明るい話題がありませんでした。 少子高齢化による若者の減少、そしてすでに高度化したファッション消費者、という大前提を考えると、日本における日本国民によるファッション消費市場が広がることはないでしょう。
そのため、日本のファッション企業は、1.ニッチ戦略で新たな市場を開拓する、2.顧客に密着し、適正規模を維持する、そして3.新たなチャネル開拓という、3つの戦略から、自社に環境に合わせた戦略を選び、推し進めていかなければなりません。

新たなチャネル開拓として、昨年から、アジア進出へ本格的に乗り出す、また計画を発表する企業が増えてきています。ただし、海外進出を自社だけで行っていくには大変な資金と労力が必要となります。
そして、進出した先に待つ一番の課題はマネジメントです。この点については多くの企業が悩んでいます。「あ・うんの呼吸」で行ってきた日本の企業が海外進出して、現地のスタッフを上手くマネジメントできないのです。そのため、重要なポストは全部、日本企業が占めてしまうという体制になりがちです。一方、多くの欧米の企業は、優秀な現地スタッフをトップに登用しています。そうなると、優秀な現地スタッフは日本企業から欧米系の企業へ流れていきます。その結果、日本企業は、日本のやり方で行い、現地の感覚や情報を上手く取り入れられずに、マーケティングが上手くいかなくなるという状況に陥っていきます。
そこで、現地法人を設立する前に、現地パートナーと組み、進出していくことも、重要な選択肢として検討する必要があると思うのです。ただ、当然、パートナー選びには細心の注意を払わなければなりません。

現在、日本のファッション企業が進出先としているのは、中国です。約13億人の人口、好調な経済、3〜4時間で行けるという近さ、四季のある気候、日本人とよく似た顔と体型、と日本企業が興味を示すのは当然ですし、外せないマーケットです。しかし、中国はまだまだビジネスフレンドリーとはいえません。
そこで私は中国進出については、日本と親和性の高い台湾、ビジネスフレンドリーな中華圏・香港やシンガポールでパートナーを見つけ、進出していくという選択肢もあると思うのです。

日本と中国をつなぐ重要拠点・台湾

台湾は人口約2,300万人という小さなマーケットです。
しかし、行かれた方はおわかりになりますが、日本のファッションがいたるところで見られる、日本との親和性の高いマーケットです。百貨店中心のマーケットが形成されており、日本の百貨店ブランドが、違和感なく展開されています。また、台北の忠孝教化あたりの裏道には、代官山や裏原宿のようなファッションストリートも形成されています。
また、日本語が通じることも多く、公共マナーもしっかりされており、日本人にとって非常に過ごしやすい街です。

そして、台湾は、以前から中国に進出して成功を収めた企業も多くあります。

 
[台北 忠孝教化周辺のファッションストリート]

このように、日本や日本のファッションに親和性があり、中国のマーケットとビジネスを理解している企業とともに、台湾でビジネスをし、そして中国進出へともに歩むというのも、重要な選択肢であると思います。

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ファッションビジネスコンサルタント 山中健

大手百貨店、外資系ファッションメーカー、大手コンサルティングファームを経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。マクロデータ分析、店舗調査、生活者調査などの徹底したリサーチをベースとし、マーケティング及びMDのコンサルティングを行っている。
2009年よりアパレルウェブコンサルティングファーム上席研究員として、活動を開始。「日本のファッションを世界に」を実現するために、欧米、アジア、国内のファッション市場調査活動を実施中。2008年度 経済産業省 アジア大洋州課 受託事業「アジアトレンドマップ」のディレクションを担当。

ファッション・アパレル企業向け海外進出サポート・コンサルティング | aw-research
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