香港随一のセレクトショップ「I.T」大研究 | 山中健のWorld Report Vol.5 | コラム | アパレルウェブ

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2009.11.24 Vol.5 >>バックナンバー
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Vol.5 香港随一のセレクトショップ「I.T」大研究

今回は、香港で人気のセレクトショップITについて考察してみたいと思います。I.Tは、高感度のセレクトショップとして、有力商業施設の一等立地に出店し、ローカルや香港を訪れる消費者に人気を博しています。そして、日本のファッションブランドにとっては、香港や中国大陸進出のパートナーとして注目を浴びています。

I.Tとはこのような会社

I.T は1988年、当時21歳だったカルワイ氏と、キンワイ(同19歳)氏のシャム兄弟によってスタートしました。
当時のお店はわずか6坪の規模で香港に上陸していないブランドを店頭に並べることで特徴を出したそうです。その後、2005年には香港証券取引所1部に上場しました。

そして、香港、マカオ、台湾、中国で店舗数を拡大し、毎年2ケタ成長を続け、2009年2月期のグループ年間売上高は27億3,326万香港ドル(約315億円)に到達、直営店の数も330店舗にまで拡大しています。

1店舗あたりの売上は群を抜いて高いわけではないですが、粗利率が約59%と高いのが特徴です。ブランド別の構成比をみると、インポートブランドの販売が売上全体の47.7%を占める一方、izzue.comや5cmUndergroundなどのオリジナルブランドの売上比率も 47.7%と堅調。MLB などのライセンス販売による売り上げが全体の4.6%となっています。

オリジナルブランドの好調が高い粗利率を実現していることが窺えます。

オリジナル、アソート複合のマルチブランドストア

次にセレクトショップとしてのMDを見てまいりましょう。私がセレクトショップには大きく3つのMDパターンがあると考えています。

1.ショップ編集型MD
ショップ編集型とは、ブランドにとらわれずセレクトショップの自主性でMDを構築しているものです。ブランド別の売場編成でなく、そのショップが主張するファッションスタイル、ライフシーンで、商品を構成しています。海外での有名セレクトショップでは、パリのコレットやレクレルール、NYCのSCOOP、ローマのTAD、ミラノの10コルソコモ、LAのフレッドシーガルなどが、このパターンです。

2.ブランド編集型MD
ブランド編集型とは、ブランド別に売場が分類されているMDです。NYの高級百貨店バーニーズニューヨークがその代表です。他には、ミラノのアントリオーリ、NYのジェフリーなども、このパターンです。

3.PB主体型MD
ショップのPBを主体としてMDを組み立てるもので、日本の大手セレクトショップの多くはこのパターンです。

そして、I.Tも「ブランド編集型MD」を基本としています。izzue.comや 5cm、Underground、b+abといったキャラクター性の強いオリジナルブランドをオンリーショップでも成立させながら、セレクトショップのブランド編集に組み入れています。ここが日本の大手セレクトショップと異なる点です。

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ファッションビジネスコンサルタント 山中健

大手百貨店、外資系ファッションメーカー、大手コンサルティングファームを経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。マクロデータ分析、店舗調査、生活者調査などの徹底したリサーチをベースとし、マーケティング及びMDのコンサルティングを行っている。
2009年よりアパレルウェブコンサルティングファーム上席研究員として、活動を開始。「日本のファッションを世界に」を実現するために、欧米、アジア、国内のファッション市場調査活動を実施中。2008年度 経済産業省 アジア大洋州課 受託事業「アジアトレンドマップ」のディレクションを担当。

ファッション・アパレル企業向け海外進出サポート・コンサルティング | aw-research
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