アジアのHUB シンガポール | 山中健のWorld Report Vol.3 | コラム | アパレルウェブ

Follow apparelweb on Twitteryoutube apparelwebfacebook pparelweb
アパレル・ファッション業界の情報ポータル
山中健のWorld Report
2009.10.1 Vol.3 >>バックナンバー
このエントリーをはてなブックマークに追加
Vol.3 アジアのHUB シンガポール

ファッション化する消費者

現地在住の日本人は「シンガポール女性もお洒落になってきた」と口をそろえて言います。前までは、Tシャツ、ショートパンツ、サンダルというスタイルが若い女性の主流でした。
しかし、オーチャードやブギスなどを歩くと、ワンピースやレイヤードにチャレンジした若い女性が目につきます。
そして、以前はスッピンも珍しくなかったのですが、メイクをする女性がほとんどになり、髪型のバリエーションも増えたようです。お洒落に目覚めたシンガポール女性が増えているのは確かのようです。
 

日本ファションは成長前期

現地で「日本のファッションといえば、ユニクロ」です。ユニクロのプロモーションが功を奏し、タンピネスやアイオン(ION)というショッピングモールにあるユニクロは大賑わいです。この結果、幻影であった「日本はお洒落で上質」というものが現実となり、ビジネスに結びつきはじめています。しかし、実はユニクロが出るより前に、日本ブランドの地ならしがあったようです。それは、香港のSPAです。バレーノやボッシーニをはじめとする香港SPAは日本のカジュアルを下敷きに商品開発をすすめています。そのため、「日本風カジュアルファッション」はすでにあったのです。そこに「日本カジュアルNO.1 ユニクロ」が出たため、すんなりと受け入れたのです。シンガポールにおいて日本のファッションは成長前期段階に入ったといえるでしょう。  

狙い目はZARA以下ユニクロ以上

日本のファッションは成長前期段階といいますが、大きな課題があります。それは「価格」です。
シンガポールは、欧米や香港などと同じように、アッパーマーケットとボリュームマーケットに分かれています。そして、ボリュームマーケットの上位に君臨しているのが、ZARAであり、TOP SHOP、GAPといった欧米型SPAです。マッシモドティや、バナナリパブリックといった業態もボリュームマーケットの引き上げをすべく参入していますが、全体の引き上げをするまでに至っていません。シンガポールで5店舗以上、そしてマレーシア、インドネシア、タイといったASEAN諸国へと店舗を拡大し、現地での利益をあげていくのであれば、ZARAと同等以下の価格で展開するのが王道でしょう。

アッパーブランドはピンポイントで

一方、アッパーマーケットは、ヴィトンやグッチといった欧米系ラグジュアリーブランド、そしてそのデフュージョンブランドで構成されています。
世界の上澄みをとっていく戦略の一つとして、シンガポールに展開するという考えであれば、このアッパーマーケットに参入してもよいと思います。しかし、シンガポールは狭いので、バッティング問題から、いくつもパートナーを持つことは困難です。そのため、パートナーを間違えないことが大事です。
例えば、オーチャードのど真ん中にTangsという100年以上の歴史を持つ地元の百貨店があります。
 

この百貨店は、自己編集能力のある中高級百貨店で、すでにジョンローレンスサリバンやラッドミュージシャン、ファクトタムなどを扱っており、目の利いたセレクトをしています。このような店は地元やASEANの高感度かつ高所得層に支持されています。ここから、ASEANや中近東、オーストラリアへと広がることも期待できます。

さまざまな角度でシンガポールをお話ししましたが、まとめとして、繰り返し申し上げたいのは「シンガポールは成長するアジア市場のHUB」であるということです。極東である日本にいる我々からすると、「赤道直下の観光都市」だと思ってしまいがちですが、「ASEANへの広がり」、「華僑ネットワークを使っての中国進出」といった可能性を秘めた重要な都市であると言えるでしょう。

前へ | 1 | 2 | 次へ
>>バックナンバー
ファッションビジネスコンサルタント 山中健

大手百貨店、外資系ファッションメーカー、大手コンサルティングファームを経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。マクロデータ分析、店舗調査、生活者調査などの徹底したリサーチをベースとし、マーケティング及びMDのコンサルティングを行っている。
2009年よりアパレルウェブコンサルティングファーム上席研究員として、活動を開始。「日本のファッションを世界に」を実現するために、欧米、アジア、国内のファッション市場調査活動を実施中。2008年度 経済産業省 アジア大洋州課 受託事業「アジアトレンドマップ」のディレクションを担当。

ファッション・アパレル企業向け海外進出サポート・コンサルティング | aw-research
ファッション・アパレル企業向け海外進出サポート・コンサルティング | aw-research

ブログ:MD WATCHING
【ご意見・ご質問はこちら
【PC】メールマガジン登録
アパレル業界No.1の情報源!VMD・ブランディングなど専門的な情報をお届け。
>> メルマガ登録はこちら!