なぜ、上海を第一の海外進出先として考えるのか | 山中健のWorld Report Vol.12 | コラム | アパレルウェブ

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2010.7.6 Vol.12 >>バックナンバー
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Vol.12 なぜ、上海を第一の海外進出先として考えるのか

今回は、現在、日本ブランドの進出候補として名前が挙がる、上海のファッションマーケットについて考察していきたいと思います。

さまざまな企業と話をさせていただくと、「海外進出=上海」という図式が前提となっています。それはなぜでしょうか。
私が推察するとこと、以下のような根拠で、第一の海外進出先として上海を選定されているのではないでしょうか。

1. 成長する大国「中国」のファッションキャピタルであるから
2. 消費者の身体的特徴、気候が、日本と類似しているから
3. ファッションメディアにおいて日本ファッションに関するものが発信されており、日本ブランドの優位性が発揮できるから

1と2は間違いのない事実です。しかし、3については、いささか疑問に思います。ファッションメディアにおいて、日本ファッションに関する取り扱いが多いのは事実です。しかし、現状では日本ブランドに優位性があるかというと、疑問です。

なぜ、日本ブランドは優位性を発揮できていないのか。その答えは、上海のファッションマーケットをグレード別に見ていくと導き出せます。

 

上海のファッションマーケットは4区分

アッパー・マーケット … 欧米系ブランドを中心とした上澄みマーケット
モデレート・マーケット … アッパーとボリュームに挟まれた隙間マーケット
ボリューム・マーケット … 新中間層に支持される中心マーケット
ボトム・マーケット … 市場を中心とした地元密着マーケット

【上海マーケットグレード区分】

日本や韓国のような明確さはありませんが、この4つの区分に対応して、商業施設や業態、ブランドが展開されている傾向があります。それぞれのマーケットを見て行きましょう。

アッパー・マーケットは欧米ブランドが制圧

上海に来て、多くの日本人がびっくりするのが、このアッパー・マーケットの充実ぶりでしょう。中高級百貨店の1Fには、欧米系ラグジュアリーブランドが軒を連ね、恒隆広場、金鷹といったラグジュアリーモールには、Dior、Gucciの大型店が軒を連ねています。

これらのプレステージを頂点に、セカンドラインブランドやブリッジブランドによって構成されるベター1、グローバルなカジュアルブランドやパリのプチブランドなどで構成されているベター2と連なります。
基本的には、グローバルなプレイヤーが多く、アッパー・マーケットだけを見ると、欧米とまるっきり同じに見え、「上海は日本以上に進んでいる」という錯覚をしがちです。
 
[上海の中高級百貨店 久光百貨]
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ファッションビジネスコンサルタント 山中健

大手百貨店、外資系ファッションメーカー、大手コンサルティングファームを経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。マクロデータ分析、店舗調査、生活者調査などの徹底したリサーチをベースとし、マーケティング及びMDのコンサルティングを行っている。
2009年よりアパレルウェブコンサルティングファーム上席研究員として、活動を開始。「日本のファッションを世界に」を実現するために、欧米、アジア、国内のファッション市場調査活動を実施中。2008年度 経済産業省 アジア大洋州課 受託事業「アジアトレンドマップ」のディレクションを担当。

ファッション・アパレル企業向け海外進出サポート・コンサルティング | aw-research
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