ソウル ファッションマーケット考察 | 山中健のWorld Report Vol.10 | コラム | アパレルウェブ

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山中健のWorld Report
2010.5.6 Vol.10 >>バックナンバー
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Vol.10 ソウル ファッションマーケット考察

東京、香港に次ぐアジアの重要国際都市

今回のワールドレポートでは、アジア各都市で存在感を増す韓国ブランドの発信元、「ソウル」についてお伝えします。

ソウルは、ソウル特別市の人口が1,046万人、そして、都市圏人口は2,447万人で、韓国の全人口の約52%を占めています。また、都市別GDPでは世界1位の東京、大阪・神戸(世界第7位)、香港(世界16位)についでアジアで4位(世界21位)です。(出典:PricewaterhouseCoopers UK Economic Outlook November 2009)

そして、GaWCが指定する世界都市のレートでは「第1級世界都市マイナス」とされ、アジアでは東京(4位)、香港(5位)についで3番目の世界都市(世界で9位)です。
 
[活気ある明洞]

ファッション消費については、2007年時点の被服・履物のマーケットサイズ(国民一人当たり消費支出額)が、375.6USDと、日本の992.0USDより小さいですが、中国の100.8USD、台湾の322USDよりは高く、香港やシンガポールといった都市国家を除けば、日本に次ぐファッション高度消費国であるといえます。(出典:Euromonitor international from industry sources/national statics)
以上のことから、アジアにおいて東京、香港に次ぐ重要な国際都市であることがわかります。

 

財閥系百貨店がファッションマーケットの覇者

韓国は、店舗数が多いことで知られ、人口に対する割合では、日本を上回っており、世界で最も多いとされています。そしてその多くは、個人商店です。しかし、その一方で大財閥が、百貨店・ディスカウントストア・ファッションブランドを手がけており、これらによる売上シェアが高いのです。大財閥は国の政策を実施する役割を果たしており、名実ともにあらゆるグレードで韓国流通をリードしています。
少々乱暴に申し上げると、韓国では流通の主流は財閥が、そして亜流は個人や個人から成長した企業が担っているといえます。

また、現状では、日本や米国などと比べ、まだショッピング・センターが発達しておらず、中高級の買い物は百貨店、安価なものは個人商店や市場風ファッションビル、ディスカウントストアで購入することが多いようです。
 
[一番に躍り出た新世界百貨店]

そのため百貨店とディスカウントストアの隙間マーケットは、たくさんの中小企業が展開しています。
しかし、近年の外資への開放により、ファストファッションをはじめとする外資企業の進出が始まっています。

中高級ファッションマーケットは百貨店の独壇場

中高級マーケットの主役は、ロッテ、新世界(サムソングループ)、現代といった財閥系の百貨店です。これらの百貨店は、日本と同様、インポートのラグジュアリーブランド、ライセンスブランド、ローカルブランドで構成されており、良き時代の日本の百貨店を思わせます。中国や台湾の中高級百貨店も同様の構成であるといえますが、韓国はローカルブランドの存在感が強いのが特徴です。

そしてこれらのローカルブランドは、財閥系や大流通グループが手がけていることが多く、どこの百貨店にもあり、百貨店間の同質化は、日本や台湾と同様です。そのため、ハードや全体の業種構成、別館の付加などによって差別化を図っています。

百貨店にホテルや免税店、ファッションビル、ラグジュアリーモールを付加したロッテ、狭い本館を高級百貨店に新館を中高級百貨店としてグレードの幅をもたせた新世界などを見ると、日本においては、SCデベロッパーや大手セレクトショップに浸食されたゾーンを、百貨店が展開できていることがわかります。
 
[ロッテ百貨店を核としたロッテタウン]

また、意外かと思われるかもしれませんが、韓国ではSC開発においては、まだ始動期です。小売におけるSCのシェアは、日本では30%、アメリカに至っては50%といわれてますが、韓国ではデータも存在しないほど少ない状況です。このような環境も相まって、韓国の中高級マーケットでは百貨店が揺らぎのないポジションを確立しているといえます。

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ファッションビジネスコンサルタント 山中健

大手百貨店、外資系ファッションメーカー、大手コンサルティングファームを経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。マクロデータ分析、店舗調査、生活者調査などの徹底したリサーチをベースとし、マーケティング及びMDのコンサルティングを行っている。
2009年よりアパレルウェブコンサルティングファーム上席研究員として、活動を開始。「日本のファッションを世界に」を実現するために、欧米、アジア、国内のファッション市場調査活動を実施中。2008年度 経済産業省 アジア大洋州課 受託事業「アジアトレンドマップ」のディレクションを担当。

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