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THE MAXREの米国ファッションビジネストレンド vol.42

高所得者層がハマる 中古衣料の再販サイト「スレッドアップ」成長の理由

2017.5.17
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個人間での中古衣料販売におけるマーケット競争が激化している――米国では、オン&オフラインを合わせて180億ドル(約1兆9,800億円)、2021年までに330億ドル(約3兆6,300億円)の成長が見込まれています。オン・オフ合わせて全体で8%、EC企業のみで38%の成長を遂げています。数ある中古衣料ECの中でも、米国最大と言えるのが、「スレッドアップ(THREDUP.COM)」。1億3,100万ドルの資金調達に成功し、投資家達にも好まれている企業です。人気の理由は、専用の袋に不要な洋服を入れて送るだけで、写真撮影からECサイトへの掲載まですべて行ってくれる手軽さ。今年で5回目となる「スレッドアップ」の調査レポートによると、94%の女性がプロパー価格の製品をめったに買わず、最低でも40%オフ以上でなければ買わないのだそう。グーグル検索でも、リセール(再販)サイトの検索ボリュームは、従来の20倍以上に増加しているのです。

 

ユーザーの4割が年収2,500万円以上


世帯当たり所得 割合
0〜500万円 23%
500万円〜1,000万円 10%
1,000万円〜2,500万円 21%
2,500万円〜1億円 36%
1億円以上 10%

 

所得者層 世帯当たり所得 割合
低所得者層 0〜450万円 19%
中間所得者層 450万〜1,250万円 24%
高所得者層 1,250万円以上 27%

 

意外にも年収の高い消費者層が、中古衣料を積極的に購入していることが明らかになっています。「スレッドアップ」を利用しているアクティブユーザーの年収とその割合が上のチャート。2,500万円以上のユーザーが全体の46%を占めているうえ、驚くことに、1世帯あたりの所得が1億円以上のユーザーが10%も存在しているのです。

世代別では、<エココンシャスなミレニアル層>が前年比2.4倍で全体の30%、<節約目的の65歳以上>は、前年比3.4倍で全体の32%と、この2つのジェネレーションの利用率が特に増加。中古衣料のリセールサイト利用率は、2倍に増加しています。

 

宝物探しのスリルを味わう


1時間に約1,000アイテムがアップされる「スレッドアップ」。レポートによると、63%のユーザーが、何が販売されるか分からないスリルを楽しみ、実に76%の人が「面白い」と答えています。洋服を買うキーワードが「面白い」や「スリル」というのはとても興味深い結果。最近では、リセールサイトのフラッシュセールアプリも人気があるようですが、「スレッドアップ」には、オフプライス店と似たような宝物探し的要素があるようです。

ちなみに、未着用の女性の洋服は全米で2,200億ドル(24兆2,000億円)分もあり、スレッドアップ社に送られてきた洋服の数は、2015年で700万枚、2016年で1,400万枚にも上っています。スレッドアップ社が過去5年で会員に支払ったトータル金額は5,800万ドル(約63億8,000万円)と発表されています。

利用する動機が「低価格」というほかに、「スリル」と「面白い」が加われば、買い物は、もはやゲーム感覚のエンターテイメント。それを立証するかのように、リセールサイトが最も利用されるピークの時間帯は、食事も済み、子供達が寝静まった午後9〜10時となっています。

● ワインを片手に「クリック&ドリンク」派:63%
● モールよりも、カウチでペットと遊びながらショピングを好む女性:85%

リラックスしながら、どんな商品が飛び出すかを待つ――そんなスリルとハンティング要素が加わった買い物ゲームは、一瞬にして売買が成立するのでしょう。データによると、最も早く売れるカテゴリーはシューズとのこと。

■再販サイトで販売されている商品の比率と売れる商品のトレンド

取り扱いアイテムの比率
アパレル・靴・服飾雑貨 49%
14%
メディア 11%
家電製品 10%
その他 16%

 

売れている商品アイテムとその特徴
最も早く売れるアイテム シューズ
ベストバリューアイテム ジーンズ
急成長アイテム アクティブウェア

 

人気のオフプライス店よりお得な場合も


スレッドアップ(Threadup) TJマックス
業態 リセールサイト(CtoC) オフプライス店 (BtoC)
新商品の入荷 1時間に1,000型 1週間に1,000型
ウエブ検索量 35,000点の著名ブランド 店頭販売が主体の為、限られている
価格帯 小売り価格の75〜90%オフ 小売り価格の30〜60%オフ
どんな商品か 出品者が好んで購入した商品 企業の過剰在庫(新品)

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商売の形態や消費動機が類似した業態といえば、やはりオフプライス店。2つの業態の特徴を比べてみました(上チャート)。オフプライス企業は、巧妙な仕入れと小ロットの振り分け作業による宝物探し効果で成長し出店が加速していますが、店頭での売れ行きが早い分、ECでの売り上げは伸びにくいのが特徴です。一方、消費者間(CtoC)での商売となるリセールサイトは、通常の通販サイトとは100%逆のスタンス。不要品を再利用してもらい、かつ少しでもお金になればいいという個人間ベースの商売であるため、オフプライス店よりもさらに価格が下がる可能性があるのです。

「スレッドアップ」では、取り扱える商品のブランドリストがあり、かつコンディションのいいものに限られています。高所得者の利用が増えることで、高級ブランド品の取り扱いが増え、さらに、その商品を目当てにした別の高所得者が購入するという相乗効果も出ています。「スレッドアップ」によると、利用者全体の50%が、TJマックスや、ノードストロームのオフプライス部門「ラック」などで商品を購入。そして、自分の持ち物をリセールサイトで販売しているそうです。ミレニアルと65歳以上の利用者が中心となっていることからも理解できます。ライバル関係にある2つの業態は、共存し合う関係でもあるようです。

ECの比率が伸びているとはいえ、その中でも成長を続けるのはごく一部の企業。消費者がそこで買い物をし続けるには何か特別な理由があるはず。スリルで面白いという“感覚”“体験”も、その1つなのでしょう。

米サンフランシスコのスレッドアップ本社

 

■ Threadup  https://www.thredup.com/
■ T.J.Maxx  http://tjmaxx.tjx.com/
■ Nordstrom  http://shop.nordstrom.com/

 



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