ゴシックアンドロリータ | 栗田亮のクールジャパン新展開 Vol.6 | コラム | アパレルウェブ

ブックマークする
アパレル・ファッション業界の情報ポータル
栗田亮のクールジャパン新展開
2010.4.27 Vol.6 >>バックナンバー
このエントリーをはてなブックマークに追加
Vol.6 ゴシックアンドロリータ

ゴシックとロリータの融合

ゴシックアンドロリータ (Gothic and Lolita) は、日本独自のファッションジャンルです。
「ゴスロリ」と、一括りに言われることも多いのですが、もともと「ゴシック」と「ロリータ」は、ほとんど関連性のない言葉です。この事は、グーグルで画像検索してみるとよくわかります。

「Gothic」のグーグル画像検索結果はこんなイメージです。



「Gothic」の画像検索結果(google画像検索)

「ゴシック」(Gothic)は、「ゴート族風の」、「野蛮・残酷」を意味します。
作家・高原英理は、「ゴシック」を構成する要素について以下のように述べています。

「色ならば黒。時間なら夜か夕暮れ。場所は文字通りゴシック建築の中か、それに準ずるような荒涼感と薄暗さをもつ廃墟や古い建築物のあるところ。現代より過去。ヨーロッパの中世。古めかしい装い。温かみより冷たさ。怪物・異形・異端・悪・苦痛・死の表現。損なわれたものや損なわれた身体。身体の改変・変容。物語として描かれる場合には暴力と惨劇。怪奇と恐怖。猟奇的なもの。頽廃的なもの。あるいは一転して無垢なものへの憧憬。その表現としての人形。少女趣味。様式美の尊重。両性具有、天使、悪魔など、西洋由来の神秘的イメージ。驚異。崇高さへの傾倒。終末観。装飾的・儀式的・呪術的なしぐさや振る舞い。夢と幻想への耽溺。別世界への夢想。アンチ・キリスト。アンチ・ヒューマン。」(『ゴシックハート』(講談社、2004年9月15日発行(8-10頁))

「ゴシック」は、生と死を真摯に見つめる暗い美意識を感じさせる言葉です。
一方、「ロリータ」は、ロシア人作家ウラジミール・ナボコフの小説「ロリータ」に由来します。中年の大学教授が12歳の少女に一目ぼれする話で、転じて、欧米では、誘惑的な美少女や、実年齢より見た目が幼い女性を「ロリータ」と呼びます。 「Lolita」をグーグルで画像検索(Gothic&Lolitaのイメージを除く)してみると、この小説から来るイメージが強いことがわかります。



「Lolita」の画像検索結果(google画像検索)

ところが「ロリータ」は、日本では独自の解釈が成されています。
「下妻物語」の作者である嶽本野ばらは、日本のロリータを構成する要素について、以下のように述べています。
「アリス、王冠、天使、テディベア、キティちゃん……。澁澤龍彦、森茉莉、恋月姫、楠本まき……。バッハ、パンク、アンティークオルゴール……。」(嶽本野ばら『パッチワーク』扶桑社、2002年12月10日発行)
日本的解釈の「ロリータ」では「少女趣味」の要素が強くなっているのです。

ラフォーレ原宿のアンダーグラウンドにはゴシックアンドロリータのショップが集積していますが、お客さんを観察していると、ゴシック系とロリータ系ではまったく気質が違うことがわかります。
ロリータ系のお客さんは、お客さん同士が仲良しです。おしゃべりが好きで、お茶会などを好みます。
一方ゴシック系のお客さんは、一人で来店する人がほとんどです。お店でスタッフとおしゃべりをし、用事がすむとさっと帰ります。群れることが嫌いなようなのです。

このように、「ゴシック」と「ロリータ」は、本来の意味もファンの気質もまったく違うのです。
ところがこの両者を、一括りにしてしまうものがありました。
2000年にインデックス・コミュニケーションズから発行された「Gothic & Lolita Bible」です。象徴的なのは、この少数派ファッションのための唯一の専門誌に「バイブル」という名前がつけられたことです。

「はじめに言葉ありき」(ヨハネによる福音書)。
「ヴィジュアル系」という言葉が、音楽雑誌「SHOXX(ショックス)」の命名で定着したのと同じように、(クールジャパン新展開VOL.5)、「ゴシックアンドロリータ」という言葉も、「バイブル」によって命名されたことにより、日本独自のファッションカテゴリーとして一人歩きして行くことになります。
専門誌「Gothic & Lolita Bible」
前へ | 1 | 2 | 3 | 次へ
>>バックナンバー
栗田 亮(くりた まこと)
Tenkai Japan代表
『Cool Japan! カッコイイ*かわいい*たのしい*おいしい*日本を世界に発信』をテーマに、トラベル、ファッション、ショップ、ブランド、イベント等の情報を英語で積極的に発信中。
クールジャパン系の翻訳、通訳、海外マーケティングには定評がある。
英語WEBメディア「Tenkai-japan.com」企画・運営
翻訳、通訳、通訳ガイド、外国語サイト製作・運営サポート、訪日外国人プロモーション、海外マーケティング、JAPANブランドの海外展開支援
SEFA-EVENT(フランス・ジャパンエキスポ主催者)パートナー

ブログ:お客様を海外から呼ぼう! テンカイジャパン
【ご意見・ご質問はこちら
【PC】メールマガジン登録
アパレル業界No.1の情報源!VMD・ブランディングなど専門的な情報をお届け。
>> メルマガ登録はこちら!