“日焼け対策ガール”って知っていますか? | 小山隆のストリートはランウェイだ!Vol.4 | コラム

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2009.10.13 Vol.4 >>バックナンバー
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Vol.4 “日焼け対策ガール”って知っていますか?

★ “日焼け対策ガール”とは?

1-誰が?
おしゃれに関心のある、見た目20代前半頃の女性が対象です。原宿ストリートの日傘使用者層は年々低年齢化しており、数年後のストリートは、若い女子を中心に日傘だらけになるのではないかと、思わず妄想してしまうほどです。

もともとのストリートにおける日傘の利用者層は、30代以上が主流というイメージを持つ方も多いのではないかと思います。もちろんその通りですが、利用者の幅がさらに広がったということですね。テイストはエレガンス系が多いと思いますが、ナチュラル系、カジュアル系、ゴスロリなど、幅広く確認できます。

2-いつ頃から?
そもそも、“日焼け対策ガール”というカテゴリーは、おしゃれなコが日傘をファッションとして採用したことから始まりました。2005年渋谷電脳リサーチで “日傘ガール” と命名し追跡レポートをしています。
その後、2006年に木村カエラさんの“Magic Music”の歌詞に使われ一般に広く知られる言葉になったと思います。

3-どのような着こなしか?
日傘ガールの原型となったのが、ゴシック&ロリータのスタイルだと考えます。服と傘のテイストが一致しており、完成系に近いと思います。

余談ですが、前回の“ドーリーちゃんは新しいライフスタイルの潮流だ!”という考え方もロリータファッションの子たちが発生源だと指摘しました。
また、次世代型のブランド構築にはサブカル系ブランドの顧客との繋がり方が参考になると提起しました。最近のスタイルトレンドの源泉をたどると、サブカルチャーに行きつく傾向があるのかもしれません。

話をもどしまして、エレガンス系ファッションの女子に見られる日傘スタイルは年々レベルアップしていると思います。
また、ナチュラルファッションには日傘コーディネートと親和性がありそうです。違和感の少ない、服と傘のテイストが一致しているコーディネートが見られました。また、今年からアームカバーの着用が数件確認できており、今後追及すべき現象だと思っています。

そして、未開拓なのがカジュアルジーン。

ガーリー系では水玉模様の日傘など見られるものの、多くは服と傘のテイスト連動ができていません。無地の異テイストの傘を無理やり使用している感があります。そのように眺めてみると、まだ隙間だらけの可能性を秘めた市場に見えてくるんです。



★ 日焼け対策グッズとおしゃれの関係

1-従来の対象年齢
先にも書きましたが、従来のイメージでは日焼け対策グッズの対象は中高年が主流で、スポーツを除きヤングマーケットには関係の無いものと思われていたように感じます。今回の潮流は、ヤング層がマーケットに入ってきたことが特徴です。

2-どこで売っているのか?
都心の駅ビルやヤング系ファッションビルに、“日焼け対策グッズ”のスペースをさくショップは少ないように見えます。特に、ファッションとして打ち出そうとしている売り場に出会った記憶がありません。

3-商品のセンスは?
今後の課題となるのが、日焼け対策グッズのファッション展開です。もともと、ファッションとしてのポジションが無いアイテム群だと思いますので、ヤング系カジュアルメーカーからかわいいデザインが出てくることを期待しています。

★ なぜストリートで日焼け対策グッズが現れたのか?

1-地球環境問題との関係(意識変化)
地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雨のような世界規模の問題意識もそうですが、ゲリラ豪雨、暖冬など、身近に感じる環境変化は、無意識のうち人間の防衛本能を刺激しているのかもしれません。スポーツ関連アパレルでは、UVケアはもはや必須に近い機能だと思いますが、カジュアルシーンにおいてはとても少なく、デザイナー側の意識不足が起因してマーケットニーズとのずれが発生しているのではないでしょうか?

2-お肌のカラートレンドが変化
90年代末までは“ガングロ”に代表される、まっくろに日焼けすることが、特にセクシーカジュアルと呼ばれるファッションカテゴリーでブレイクしていました。
その後、美白ブームが起こり、ファッションリーダーはギャルから大学生へとバトンタッチされ人々の意識は“アンチ日焼け”へと大きく傾いて行ったのではないでしょうか。お肌のカラートレンドは、黒(日焼け)から白(美白)へ。過去、長い年月をかけてこのようなサイクルが繰り返されていると思います。

3-見た目の面白さ
原宿ストリートで、日傘とアームカバーで日焼け対策したおしゃれ系の女の子を見ると何とも言えない異質でコミカルな感覚が湧いてきます。たとえば撮影した写真を見てみると、アームカバーをして生足を出していたり、片手だけだったり、あまり隠れていませんよ、、、などツッコミどころ満載な、愉快で自由奔放なファッションであることがわかります。

また、イノベーターに該当する一部の層は、ファッションとして“日焼け対策グッズ”を独自のセンスで取り入れ表現しています。(“日焼け対策ガール”と呼んでいます) 一方、一般的なユーザー間に比較的ベーシックな日傘を取り入れたスタイルが拡大しております。

一般的なユーザーが、“日焼け対策ガール”の日焼け対策ファッションを参考にしはじめると、彼女等の間でファッションピラミッドが形成されてゆくことになります。この構図ができればマーケットはおおいに活性化されると思います。

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  小山 隆(こやま りゅう)  デザイナー・ディレクター

”ストリートはランウェイだ!”を合言葉に、13年にわたりストリート・ファッションのリサーチを行っている。 2000年に自主サイト”渋谷電脳リサーチ”を公開、ストリートから未来のトレンドを予測・デザインしている。
ブログ : ストリートリサーチの鬼!
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