ストリートはランウェイだ! | 小山隆のストリートはランウェイだ!Vol.1| コラム

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ストリートリサーチの鬼!小山隆のストリートはランウェイだ1
2009.7.15 Vol.1>>バックナンバー
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Vol.1 ストリートはランウェイだ!

 

自分は、東京の“カワイイ”を世界に向けて発信する『解説者』、と語る「ストリートリサーチの鬼」小山隆。
13年にわたり、23万枚の写真を撮り続けているデザイナー、小山隆のライフワークであるストリートリサーチコラム「ストリートはランウェイだ!」の第1回目は、自己紹介も兼ねた入門編です。

★ オリジナルなトレンド情報源は何だ?〜ストリートリサーチのきっかけ〜

1996年、商社でODM (相手先ブランドのデザイン業務) のデザイナーをしていた時、バイヤーとアパレル・デザイナーに、コレクション 情報をベースにしたトレンド情報を提供しましたが、両者から却下されてしまいました。この現実に直面して、強く感じたのは、独自の情 報源を持たなければダメだ、という事でした。
では、バイヤーもアパレル・デザイナーも持っていない独自の情報って何だろう?と考えてみました。考えた末、「今、世の中がどうなっ ているのか?」という当たり前のことを、実に多くの人が知らない、という事に気がつきました。

当時、アパレル・デザイナーは、コレクション情報の落としこみ、バイヤーは実績品からの予測で商品企画することが主流で、『ユーザー (生活者)基点』でモノづくりをする考え方が無かったからです。
そこで、消費者に一番近いところ、生活者が居るところ、という事で「スト リート」に注目し、そこからのストリートリサーチを発信することにしました。

デザイナーは、コレクション情報と、ストリートで増加傾向にあるアイテムの情報を比較検証して商品企画を行い、バイヤーは、実績の数値からは知 りえない今の世の中の着こなしやスタイリングを知ることが出来ました。その後、ODM業務 が拡大したので、客観的にこの方法論が認められたのを実感しました。

★ ストリートリサーチ必然の背景 〜QR と同質化への危機感〜

業態の主流が、卸からSPAやリテールアパレルに移っていった時期ですが、そこでのモノづくりのベースとなる情報は、店頭の売れ筋情報や、カリスマ販売員の感覚という企業側の情報でした。つまり、卸アパレル同様、『ユーザー(生活者)基点』のモノづくりでは無く、商品の同質化は避けられませんでした。

ストリートリサーチ開始後、アナログな活動が中心でしたが、より多くの人ストリートリサーチを発信したいと思い、2000年に、『渋谷電脳リサーチ(Shibuden)』というサイトを立上げました。
しかし、当時、業界のIT普及は低く、ネットで情報を検索するデザイナーは皆無に等しい状況でした。一般的には、若年層を中心にネットを活用する人 が増え、まだ少なかったファッション情報を検索し「渋電」にアクセスする人が増えていきました。

その後、業界内でもネットが普及したことで、対クライアントへの企画提案時のコミュニケーションもスムーズに運ぶようになりました。一般ユーザー とも、ネットならではの双方向コミュニケーションが出来て、インターネットという道具の持つ可能性や強みを感じました。その時、プロからも一般から も支持される『Shibuden』は、自分にとっての宝であり、ドメイン、かつ武器になる!と感じました。
今年に入って、海外ユーザー向けに、ストリートリサーチを日・英のバイリンガル表記にしています。海外や地方に居て、リアルタイムの東京を見るこ とが出来ない人に、その情報を発信することが自分の役割だと思っているので、速報性には強いこだわりがあります。ストリートのトレンドの変遷は想 像以上に早く、発信される情報には独自性があり、再現性が難しいことが増えてきました。現象としても混沌としています。インターネットなので、その 日の情報をその日に見せることができます。

★ GO WORLD WIDE 〜渋電ブランディング〜

このごろ、日本のストリートリサーチをほしがっている人は、海外のエンドユーザーなのではないか?という思いが強く、最終的には、その人たちに向 けて、自身のブランドプロデュースをやってみたいと思っています。
ワールドワイドなファンを想定したブランドを展開する場合、コミュニケーション、アプローチ、販売方法などは、従来の手法と全く異なるでしょう。 ストリートのブランディングには、商品単体では難しく、モノと、情報をパッケージ化して発信する必要を感じます。つまり、商品だけでなく、そこから発信されるその時々の“………”に賛同してくれる人たち(フォロワー)を作る作業が必要です。

★ 「ストリートはランウェイだ!」 はこうなる

13年間ストリートを追い続けるうちに、原宿ストリートそのものがショーの舞台のようだと思うようになりました。そこには、様々なファッションのコたちが 混在し、飛んだり、ハネたり、自由きままにファッションを楽しんでいるように見えます。毎日がファッション・ショーのようです。
一見、混沌として捉えどころのないように見えるストリートですが、よく観察して行くとルールや秩序のようなものの存在を感じることがあります。繊細なバランスの上に、全体が成り立っているのだと思います。それらを解きほぐす作業はとても楽しく、自分自身のクリエイティブが大いに刺激される瞬間です。

そんな自分自身のワクワクする気持ちを大切に、ストリートから拾い上げた“面白いこと”をレポートしてゆきたいと思っています。 現在、ストリートの情報をしっかり読み取れるマスメディアは少ないと思います。情報の性格上、現象を説明するにしても、表現が難しく、捉えきれないのです。
今後、ストリートリサーチコラム「ストリートはランウェイだ!」では、ひとつの現象をもとに、その背景となる過去、そこから予想される未来を解説して います。

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  小山 隆(こやま りゅう)  デザイナー・ディレクター

”ストリートはランウェイだ!”を合言葉に、13年にわたりストリート・ファッションのリサーチを行っている。 2000年に自主サイト”渋谷電脳リサーチ”を公開、ストリートから未来のトレンドを予測・デザインしている。
ブログ : ストリートリサーチの鬼!
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