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大阪・梅田の「ハービスプラザ」
開業20周年を機にした改装計画が進行中

2017.8.16
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大阪・梅田では、JR大阪駅の北側――「うめきた」の2期工事を控えるなど、商業施設に関連する開発がまだ継続している。「ルクア」や「グランフロント大阪」はそうした再開発事業から誕生した商業施設だ。集積度や競合が高まる梅田地区で20年間、自身の立ち位置を保って、堅調な商売を続けている施設がある。開業から20周年を迎えた「ハービスプラザ」だ。この20年を機に計画した改装が進行中である。

 

フロア構成を見直し、回遊性高める狙いも



開業20周年を機に改装計画を進めている「ハービスプラザ」

阪急阪神ビルマネジメントが運営する「ハービスプラザ」は、西梅田地区に位置する。1997年に開業した「プラザ」館と、2004年11月に開業した「エント」館の2棟で構成する。百貨店やファッションビル、地下街が多い梅田において、“ラグジュアリー路線”を標ぼうする施設だ。

2016年度の売上高は2館併せて前年比1.2%増。改装で閉鎖された区画が多い中、健闘した。開業20周年を契機に昨年来、順次改装を進めているが、現在のところその効果が表れているようだ。今回の一連の改装では、従来の“ラグジュアリー”に加えて、上層階に入居するオフィステナントで働く人達を取り込もうとしている。

最初に着手したのが、「プラザ」館の2階フロア。2012年以降、西側の区画をメンズテナントの集積売り場にするべく、改装を実施してきた。紳士服の「リング」「ピーティー」「マッセ アトゥーラ」などが核になり、そこへオーセンティックバーの「バーヒラマツ梅田」や時計の「ルイコレクション」、ワインショップの「エノテカ」などが上手く絡み合って、こだわりのライフスタイルを求める男性客を取り込めるようになってきた。今年(2017年)2月には、フロア中央部分にセレクトショップのメンズ「グジ」とレディスの「ビリエッタ」がオープンし、さらにメンズフロアとしての集積度、完成度が高まった。プラザ館をメンズ、エント館をレディスとして位置付け、買い回り・回遊性を高める狙いがある。

 

17年春夏はリニューアル部分がけん引役に


昨年11月には、プラザ館地下2階の飲食店街を改装オープンした。「ラグジュアリーとオフィスワーカーの両立は難しいが、双方のニーズを取り込もうと考えた」(岡本高志館長)。改装後は狙い通り、新規客層であるオフィスワーカーで賑わっているという。

また今年4月にリニューアルしたプラザ館地下1階も賑わっている。ここには既存のスポーツ関連テナント――「ミズノゴルフスタジオ」、ゴルフウエアの「アルチビオ」、スキー・ゴルフウエアの「チュース」を集積し、新規に自転車ショップの「シルベストサイクル」を導入した。既存の「シルベスト」ファンに加え、前述のオフィスワーカーの来店も増え、男性客中心だがリニューアル効果が目に見える形で表れている。

また、エント館4階には、セールスポイントの1つ“ブライダル”関連ショップを集積した。以前はスポーツ関連テナントがあった区画だが、新たに前からあったブライダル関連テナントを集積した。区画ごとにテナントを配置・集積し直し、分かりやすさを追求している。ブライダルの提案は、関連ジュエリーのテナント――エント館2階の「ティファニー」や「俄」にも相乗効果をもたらしている。

おしなべて17年春夏シーズンは、リニューアルした区画がけん引役になっている。売上額自体は非公開だが、改装で閉鎖された売り場が多い中、健闘しているようだ。

 

今秋、来春にかけて改装を実施



プラザ館2階のメンズフロア。顧客の認知度も高まってきた。

今後は今秋、来春と順次、改装を進める。本年度中(来年3月末)には、新しい「ハービスプラザ」の全容が見えてくる予定だ。「エント館は開業して10年余が経過した。吹き抜けを設けるなど、その構造が個性的だが、それゆえ来館客のトラフィックにムラがあった。MDの見直しや再編集は、こうした館内の回遊性を見直す目的がある」(岡本館長)。

プラザ館のメンズの集積はかなり知名度が高まってきたが、レイアウト変更したブライダルはこれからだという。「認知度の向上が当面の課題だ」(岡本館長)と語る。エント館の3階は雑貨・インテリアを主体に強化を進める計画だ。

レディステナントを集約しているエント館の“ファッション”関連だが、比率はそれほど高くないという。それでも、地下2階に「エポカ ザ ショップ」や「ジョン スメドレー」「フルラ」「コンセント パリ アッシュ・ペー・フランス」など、高感度で個性的なレディス系ファッションテナントを集積している。こうしたショップはセールで売上数字を作るというビジネスモデルではなく、地道にリピーターを開拓するスタイルを採る。「どちらかと言うとポイントカード戦略」(岡本館長)がメーンになっている。

グループの商業施設「阪急西宮ガーデンズ」や「阪急三番街」と共用できるようになったポイントカード「おでかけカード」の存在が大きいようで、イベントなどとの相乗効果が表れている。現在のところ、改装計画は順調に進んでいるようだ。

 

 

■ルクア大阪 http://www.lucua.jp/
■グランフロント大阪 https://www.grandfront-osaka.jp/
■ハービスプラザ http://www.herbis.jp/
■阪急西宮ガーデンズ http://nishinomiya-gardens.com/
■阪急三番街 http://www.h-sanbangai.com/

 

樋口 尚平(ひぐち・しょうへい)

ファッション系業界紙で編集記者として流通、スポーツ、メンズなどの取材を担当後、独立。
大阪を拠点に、関西の流通の現場やアパレルメーカーを中心に取材活動を続ける。

【ブログ】http://www.apalog.com/shohiguchi/

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